スリッターカッターとは?メリット・デメリット、弱点を補うシートカッターの活用方法も紹介!

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「スリッターカッターを導入したい!」

「スリッターカッターを扱っているメーカーは?」

さまざまな業界で幅広い用途に活用されている『スリッターカッター』。導入を検討している方も多いのではないでしょうか。

スリッターカッターは、多様な素材に対応していますが、素材のサイズや厚さに応じた適切な設定が求められます。そのため、事前に知識がないまま使用すると、期待した結果が得られないこともあります。

そこで今回は、スリッターカッターの基本的なことからおすすめのメーカーまで解説します。スリッターカッターの導入を検討している方は、参考にしてください。

また、以下の記事ではシートカッター導入におすすめのメーカーを紹介していますので、気になる方はチェックして会社選びの参考にしてみてください。

目次

スリッターカッターとは

スリッターカッターに関する画像

スリッターカッターとは、ロール状の素材を複数の幅に同時に切断するための産業用機械です。主に紙・フィルム・金属・不織布など、連続して巻かれた素材を必要な幅に合わせて分割(スリット)加工する際に使用されます。

高速かつ高精度なカットが可能なため、大量生産ラインでの効率化に欠かせない装置です。加工対象や目的に応じて、シャースリット方式やギャングスリット方式などが選ばれ、安定した仕上がりと低コストな運用を実現します。

スリッターカッターの用途

スリッターカッターは、素材を「幅方向」にスリットすることで、製品や部材として扱いやすいサイズに加工する装置です。多くの製造業で利用されており、特に以下のような用途で活躍しています。

包装材・フィルム業界:プラスチックフィルム、ラミネート素材、粘着テープのスリット加工

電子部品・金属加工業界:銅箔・アルミ箔・ステンレスなどの金属ロールの分割


紙・印刷業界:コピー用紙、感熱紙、ラベル用紙などの幅調整


不織布・布製品業界:衛生用品、フィルター、マスク素材などの裁断前加工

このように、スリッターカッターは「ロール素材を希望する幅に正確にカットする」工程に欠かせない装置です。さらに、後工程で製品単位に切断するシートカッターとの併用により、より高品質で効率的な製造ラインを構築できます。

スリッターカッターの種類は?

スリッターカッターの種類に関する画像

スリッターカッターには、加工の目的や素材の性質に応じていくつかの方式があります。どの方式を採用するかによって、切断精度や仕上がり、処理スピードが大きく異なるため、製造現場では用途に合わせた選定が重要です。

ここでは、代表的な2つのスリット方式について詳しく解説します。

以下で詳しく見ていきましょう。

シャースリット方式

シャースリット方式は、2枚の丸刃を上下に組み合わせ、ハサミのように素材を切断する方式です。金属やフィルムなど、比較的厚みがあるロール素材の加工に適しています。

刃の位置を細かく調整できるため、切断精度が高く、仕上がりが美しいのが特長です。さらに、カット面にバリ(ギザギザ)が発生しにくいため、後工程での加工がスムーズになります。

高い精度と美しい仕上がりを両立できることから、電子部品や金属箔、パッケージ素材など、精密さを求められる製造分野で広く採用されています。

ギャングスリット方式

ギャングスリット方式は、複数の円形刃を同一シャフトに取り付け、素材を一度に複数幅へ切断する方式です。

大量のロール素材を短時間で処理できるため、生産性が高いのが特長です。主に紙・フィルム・不織布など、比較的薄く柔らかい素材の加工に適しています。ただし、刃の配置が固定されているため、幅の変更や細かな寸法調整はシャースリット方式よりも制約があります。

高速で大量にスリット加工を行いたい現場では、この方式が最も効率的です。コストとスピードを重視する量産ラインで多く採用されています。

スリッターカッターのメリット

メリットに関する画像

スリッターカッターは、製造現場で効率的にロール素材を加工するために欠かせない装置です。ここでは、そんなスリッターカッターの代表的なメリットを2つ紹介します。

以下で詳しく解説します。

高速かつ精密に連続カットができる

スリッターカッターは、ロール状の素材を連続的に送りながら、高速で正確に切断する仕組みを持っています。停止せずに連続加工ができるため、生産ライン全体の稼働効率を大幅に向上させることが可能です。

さらに、刃の位置や速度を精密に制御できるため、誤差の少ない寸法で安定したカットを実現します。このため、包装材やフィルム、金属箔など、均一な品質が求められる製品加工にも適しています。

スピードと精度を両立できる点こそが、スリッターカッターが多くの業界で採用されている大きな理由です。

材料ロスが少なくコストを抑えられる

スリッターカッターは、刃の配置や間隔を調整することで、必要な幅に合わせて無駄なく素材をスリットできます。そのため、加工時に発生する材料ロスが少なく、原材料を効率的に活用できます。

また、スリット幅を製品仕様に合わせて柔軟に設定できるため、異なるサイズの製品を1台で生産することも可能です。結果として、廃材の削減や材料コストの最適化につながり、経済的な運用が実現します。

特に高価なフィルムや金属素材を扱う現場では、この省資源性が大きなメリットとなります。

スリッターカッターのデメリット

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スリッターカッターには多くのメリットがありますが、すべての加工に万能というわけではありません。素材の種類や目的によっては、加工方法に制限がある場合もあります。

導入を検討する際には、メリットだけでなく、課題となり得る点も把握しておくことが重要です。ここでは、代表的なデメリットを2つ紹介します。

これらの弱点を理解することで、適切な補完策や他の機器との併用が検討しやすくなります。以下で詳しく解説します。

シート単位でのカットには不向き

スリッターカッターは、ロール状の素材を縦方向に分割する工程に特化しています。そのため、一定の長さでシート状に切断する「定寸カット」には対応していません。

製品単位に整える場合は、後工程でシートカッターを使用する必要があります。たとえば、包装用フィルムを個別パッケージサイズに仕上げる際や、紙製品をシート単位に分割する際などです。

このように、スリッターカッターは「幅方向の分割」が得意で、「長さ方向のカット」には別工程が必要となります。用途を明確に分けて導入することが効率的です。

切断面の仕上がりや精度に限界がある

スリッターカッターは高速で大量に素材を切断できる一方で、素材の種類や厚みによっては切断面の精度に限界が生じる場合があるため注意が必要です。特に柔らかい素材や多層フィルムなどでは、刃の摩耗や振動により、カット面がわずかに波打つことがあります。

仕上がり品質を重視する製品では、このようなわずかな誤差が問題になることもあります。そのため、より滑らかで美しい仕上げが求められる場合は、スリッター後にシートカッターで仕上げ加工を行うなど、補完的な運用が推奨されます。

スリッターカッターの弱点を補うならシートカッターの併用がおすすめ

シートカッターに関する画像

スリッターカッターは、大量生産や高速加工に優れた装置ですが、シート単位での定寸カットや切断面の美しさといった細部の仕上がりには限界があります。そこで有効なのが、シートカッターとの併用です。

スリッターカッターで幅方向に分割した素材を、シートカッターで長さ方向に仕上げることで、スピードと精度の両立が可能になります。

シートカッターは一定の長さで正確にカットできるため、最終製品のサイズ管理がしやすく、切断面も美しく整います。包装材・フィルム・ラベル・不織布など、製品単位での仕上げが求められる業界では、このスリッター+シートカッターの組み合わせが最も効率的な生産体制とされています。

スリッターで「分割の速さ」を、シートカッターで「仕上がりの精度」を担保することで、品質と生産性を両立できる点が大きなメリットです。

スリッターカッターとシートカッターの違いは?

違いに関する画像

スリッターカッターとシートカッターは、どちらもロール状の素材を加工する装置ですが、切断の方向や目的が異なります。どちらも製造工程では欠かせない役割を持っており、用途に応じて使い分けられています。

以下の表では、それぞれの違いをわかりやすく整理しました。

スクロールできます
比較項目スリッターカッターシートカッター
切断方向幅方向(縦方向)長さ方向(横方向)
主な目的ロール素材を複数幅に分割するロール素材を一定長さでシート状に切る
適した素材フィルム・金属箔・不織布・紙など紙・フィルム・ラミネート・ラベル材など
特徴高速で連続カットが可能寸法精度が高く、仕上がりがきれい
得意分野大量生産・連続加工製品単位の仕上げ加工
弱点シート単位の仕上げには不向きスリット加工(幅分割)はできない
主な使用業界包装材、電子部品、印刷、金属加工印刷、包装、ラベル、フィルム製品など

スリッターカッターは「素材を分ける工程」に強く、シートカッターは「製品に仕上げる工程」に優れています。両者を組み合わせることで、素材の分割から最終仕上げまでを効率的に行える生産ラインを構築できます。

特に包装材やフィルムなどでは、この2つを併用することで、スピードと品質を両立した加工が可能です。

シートカッターを導入するメリット

メリットに関する画像

スリッターカッターは、スリッターカッターと組み合わせて使用することで、加工工程を効率化し、仕上がり品質の向上にもつながります。

ここでは、シートカッターを導入することで得られる代表的な3つのメリットを紹介します。

以下で詳しく解説します。

加工精度が高く、美しい仕上がりを実現できる

シートカッターは、ロール素材を一定の長さで正確にカットできるため、製品の寸法精度が非常に高いのが特徴です。

ギロチン式やロータリー式など、素材や用途に応じたカット方式を採用でき、切断面が滑らかで歪みの少ない仕上がりを実現します。特に、包装材・印刷紙・ラベルなど、見た目の品質が重視される製品では、高精度なカットが仕上がりの印象を大きく左右します。

シートカッターは、安定した精度と美しい仕上がりを両立できるため、最終製品の品質向上に直結する重要な装置です。

作業効率が上がり、生産コストを削減できる

シートカッターは、自動で素材を送りながら定寸カットを行えるため、手作業での切断や仕分け作業を大幅に削減できます。

スリッターカッターと組み合わせて使用することで、幅方向の分割と長さ方向の仕上げを同時進行でき、生産工程の効率化が可能です。これにより、作業時間の短縮と人件費の削減が実現します。

また、切断のばらつきが少なく不良品が減るため、原材料コストの最適化にもつながるでしょう。

多様な素材やサイズに対応できる柔軟性がある

シートカッターは、紙・フィルム・金属箔・不織布など、さまざまな素材に対応できる柔軟性を備えています。厚みや質感の異なる素材でも、刃の設定や送り速度を調整することで精度の高いカットが可能です。

また、製品ごとに異なるサイズにも対応でき、設定変更も簡単に行えます。近年では、デジタル制御による設定保存機能を持つ機種も多く、ロットごとの切り替え時間を短縮できます。

多品種少量生産にも柔軟に対応できるため、多様な製品ラインを持つ企業にとって理想的な設備です。

シートカッターを導入する際の注意点

注意点に関する画像

シートカッターは多機能で便利な装置ですが、導入にあたっては素材や生産量に合った仕様選定、安全性、保守体制などを十分に確認する必要があります。誤った機種選びやメンテナンス不足は、思わぬトラブルやコスト増加につながることもあるため注意が必要です。

以下で、シートカッターを導入する際に注意すべき3つのポイントをまとめました。

・加工素材に合わせた仕様を選定する
・メンテナンスコストと保守体制を確認する
・複数社を比較検討して最適なメーカーを選ぶ

これらを事前に確認しておくことで、長期的に安定した稼働と高品質な生産を実現できるでしょう。

業務用シートカッターのおすすめメーカー3選

ここでは、信頼性・実績・技術力を兼ね備えたメーカーを厳選して3社ご紹介します。

それぞれのメーカーがどのような強みを持っているのか、実際にどんなシートカッターを提供しているのか、以下で詳しく見ていきましょう。

ソルテック工業株式会社

出典元:ソルテック工業

ソルテック工業株式会社は、フィルム・シート加工機に特化した総合メーカーです。特に業務用シートカッター「Wシリーズ」は、多種多様なフィルムやラベル素材への対応力に優れており、精密なカット精度と安定稼働を両立させています。

スクロールできます
項目詳細
会社名ソルテック工業株式会社
住所栃木県那須塩原市下田野532-166
電話番号0287-35-4048
公式サイトhttps://solutech.co.jp/

ラベル後加工機や巻取装置なども自社開発しており、カスタマイズ性の高さが魅力です。展示会にも積極的に出展しており、最新技術を取り入れた製品開発を継続しています。

さらに、ユーザーの多様なニーズに応える柔軟な対応力や、導入後のサポート体制にも注力しており、安心して長期運用できる点も評価されています。素材や用途に応じた最適なシステム提案を求める現場におすすめの企業です。

なお、ソルテック工業について詳しく知りたい方は、公式HPを確認してみてください。

以下の記事ではソルテック工業株式会社の会社の特徴、商品事例などをさらに詳しく解説していますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

曙機械工業株式会社

出典元:曙機械工業株式会社

曙機械工業株式会社は、油圧式・サーボクランク式など多様な裁断方式を展開する、抜型裁断機の総合メーカーです。

スクロールできます
項目詳細
会社名曙機械工業株式会社
住所埼玉県鴻巣市鎌塚1-1-3
電話番号0495-21-8123
公式サイトhttps://akebonomc.co.jp/

シートカッターの分野では「ACシリーズ」を中心に、厚物・薄物問わず高精度かつ安定した切断が可能なラインアップを揃えています。

お客様の課題解決を重視する提案スタイルと、製品トラブル時の迅速な対応力も高く評価されています。特にワンストップでの復旧体制や専門エンジニアの存在は、安定運用を支える大きな強みといえるでしょう。

長年にわたる現場対応力と、製品カスタマイズ力に優れた一社です。

以下の記事では曙機械工業株式会社の会社の特徴、商品事例などをさらに詳しく解説していますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

株式会社オート技研

出典元:オート技研

株式会社オート技研は、大阪府八尾市に本社を構える、業務用のオートシートカッターや切断機の製造を専門とする技術系メーカーです。

スクロールできます
項目詳細
会社名株式会社オート技研
住所大阪府八尾市新家町5-23
電話番号072-996-5282
公式サイトhttp://auto-giken.jp/index.html

長年にわたって培われた切断ノウハウと現場経験をもとに、安定した性能と使いやすさを兼ね備えた製品づくりを行っています。

特注仕様や細やかなニーズへの対応を求める現場にとって、実用性と信頼性を兼ね備えた選択肢として検討しやすいメーカーのひとつです。シンプルで堅牢なシートカッター導入を目指す企業におすすめです。

以下の記事では株式会社オート技研の会社の特徴、商品事例などをさらに詳しく解説していますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

まとめ

本記事では、スリッターカッターの基本から、そのメリット・デメリット、さらに弱点を補うためのシートカッターの活用法までを解説しました。

スリッターカッターは、幅方向の高速かつ効率的な加工に適した装置であり、多くの業界で欠かせない存在です。一方で、シート単位での仕上げや美しい切断面が求められる現場では、シートカッターとの併用が非常に効果的です。

加工工程ごとの役割を明確に分け、両機器を組み合わせることで、生産性と品質の両立が実現できるでしょう。

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